食中毒に要注意!意外に知られていない胃腸炎の正しい治し方と予防法について
胃腸炎は暑い夏場の食中毒、冬のウイルスなど四季を問わず油断できない病気です。 しかし、あなたは胃腸炎の正しい対処法を知っていますか? 今回は、胃腸炎の原因から対処法、予防法まで徹底的に解説します。 実際に役立つ知識を身につけて、いざという時に備えましょう。
胃腸炎はどんな時になる?
まず、胃腸炎はどのような時に起きるのでしょうか?
一番多い原因は食べ物に含まれる細菌なんです。
特に注意すべきは、カンピロバクターという細菌。
これは、生の鶏肉や未処理の水などから感染することが多く、摂取後2〜5日で発症することがあります。
他にも、牡蠣のノロウイルスやロタウイルス、生焼けの牛肉サルモネラ菌などが胃腸炎を引き起こすことがあります。
これらは特に、冬季や衛生状態が悪い場所で感染しやすいため、注意して調理をする必要があります。
また、「アニサキス」と呼ばれる寄生虫がサバなどに含まれていることがあり、その場合強い腹痛に見舞われます。治療法は胃カメラでアニサキスを胃から取り出すことになるので、結構おおごとなんですよね。
胃腸炎の主な症状としては、
・激しい腹痛
・下痢
・嘔吐
が特徴。
細菌が原因の場合は、熱が出たり、ひどい時は血便が出ることもあります。
そして吐いたり、下痢をしたりするので、食べ物以外でも接触感染といって、トイレやタオルから感染してしまうこともあります。
よくあるのがお子さんがいる家庭などでは、お子さんの胃腸炎から両親に感染してしまうということがありますね。
胃腸炎の治療法
では、胃腸炎になってしまった場合は、どのような対応をするべきなのでしょうか?
①しっかりと水分をとって脱水を防ぐ
まずやるべきなのは、しっかりと水分を摂取すること。
下痢や嘔吐によって体内の水分が失われるため、脱水症状を防ぐために十分な水分補給が必要です。
可能であれば、市販の経口補水液(ORS)を使用することが推奨されます。
水分と一緒にミネラルの成分も補給できるため、特に激しい下痢や嘔吐が続く場合には重要です。
②下痢止めは厳禁
「ひどい下痢を抑えるために下痢止めを使いたい」という患者さんがたまにいますが、実はこれは逆効果なんです。
下痢止めを使用することで症状を一時的に抑えることはできますが、体内に残った病原体を排出するために必要な下痢を止めてしまうと、かえって治りが遅くなる可能性があります。
どんどん水分を摂取して、早く体の外に病原体を出してあげた方がいいんですよね。
③抗生物質の使用について
またお薬についてですが、胃腸炎に対しては基本的に
・吐き気止め
・整腸剤
・解熱剤
・痛み止め
こういった症状に対するお薬を使うことが多いんです。
「抗生物質はどうなの?」と気になる人もいるかもしれませんが、これはケースバイケース。
カンピロバクターやサルモネラといった細菌に対しては抗生物質は効くんですが、他のノロウイルスなど、ウイルス系には実は全く効かず意味がないですし、かえって腸内細菌まで殺してしまうことで症状が悪くなることもあるからなんですよね。
ただし、熱があったり、血便が出る場合は細菌性の可能性も出てくるので、抗生物質を使うこともあります。
④胃腸炎予防のための日常生活の工夫
胃腸炎を予防するためには、当たり前の対策が重要。
トイレの後や食事の前にはしっかり手洗いをするべきですし、特に夏場、生肉や生魚を扱う場合はしっかりと適切な温度で管理をしたり、消費期限にも注意しましょう。
ノロウイルスの場合は次亜塩素酸の消毒が有効なので、自宅に常備しておけるといいと思います。
胃腸炎はなってしまうと非常につらい病気ですが、正しい対策と、治し方の知識を身に着けておいて、いざという時に家族や周りの人にも教えてあげられるようになっておいてくださいね。
