意外に知られていない「夏風邪」の特徴。どんな症状が出る?うつりやすい?医師が徹底解説

風邪と言えば冬に多いイメージだと思いますが、実は夏場も対策が必要。 もしかしたら「夏風邪って本当にあるの?」と思った方もいるかもしれません。 しかし、実は夏風邪には特有のウイルスや、特有の症状があります。 この動画では、そんな夏風邪のメカニズムや具体的な対策を医師が正しい医学知識に基づいて、分かりやすく解説していきます。

口の中に水ぶくれが?ヘルパンギーナとは

まず紹介する夏風邪は「ヘルパンギーナ」というもの。聞いたことがあるでしょうか。
ヘルパンギーナは
・コクサッキーウイルス
・エンテロウイルス
といったウイルスなどが原因で起きる病気で、子どもに多く見られるのですが近年は大人の感染も増えています。
毎年5月頃から流行しはじめ、6-7月がピークになります。
そしてこのヘルパンギーナの一番の特徴が、このような症状。

ヘルパンギーナは、突然の39-40度の高熱に続いてのどが赤くなり、のどの奥に「水疱」と呼ばれるぷつぷつしたものができるのが特徴なんです。
この水疱は破れると「潰瘍」という状態になり、まるで口内炎がつぶれた時のようにしばらく痛みが続くことがありますが、重症になったり、入院などが必要になることは少ないです。
1週間くらいで熱もひき、水疱も治ることが多いのですが、時々この水疱が潰れることで痛くて水が飲めなくなることがあり、その場合は注意が必要です。
もし、
・夏場に熱が出て、鏡を見ると水ぶくれのようなものが喉の奥にできていた。
こんな時はヘルパンギーナの可能性があるので覚えておいてください。

手足のぷつぷつが出たら夏風邪を疑いましょう!

次に紹介する夏風邪は、こんな症状が出ます。

今度は手と足にぷつぷつができていますね。
この夏風邪の名前は「手足口病」
病気の名前の通り、手や足、またヘルパンギーナのように口の中にも発疹ができるのが特徴なんです。
手足口病も、子供に起きることが多いのですが、最近は大人にも増えてきています。
手足口病は、感染してから3-5日あたりで発疹がで出すので、よくあるのが、熱が出て、3日くらいして下がってきて、治ったかなと思ったら手足にぷつぷつ発疹がで出すというパターンです。
手足口病も1週間くらいで治ることが多いですが、急に発疹が出るとびっくりしてしまうこともあるので、典型的な夏風邪として知っておきましょう。

非常に感染力の強い「プール熱」とは?

最後に紹介する夏風邪の名前は「プール熱」
正式な名前は、医学用語で「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」と言います。
最近は減ってきたのですが、プールに入る時に、水から感染することが多かったのでこのように呼ばれていて、プールという名前だけあって夏に多い風邪です。
プール熱の原因は「アデノウイルス」というウイルスで、
・のどの痛み
・発熱
・目の充血などの結膜炎や、目やにが多く出る、涙が多く出る
といった目の症状が特徴的な風邪なんです。

のどと目の「結膜」の症状が出るので、「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」と呼ばれています。
プール熱は水からもうつりますし、非常に感染力が強いです。
もし夏場に風邪を引いて、目が充血している時は、このアデノウイルスの感染を考えた方が良いでしょう。

今回紹介した
・ヘルパンギーナ
・手足口病
・プール熱
は三大夏風邪と言われていて、特にお子さんのいる家庭ではよく起きることがあります。

どれも「風邪」という名前だけあって重症になることは少ないものの、水が飲めない、ぐったりして会話がなり立たないといった場合はすぐ病院を受診すること。
それ以外の場合は特効薬はないので、のどの痛みや熱を抑える薬で様子を見て、しっかり休むと良いでしょう。
そして夏風邪をひかないために、クーラーで冷えすぎたりしないように、体調管理もしっかりしておきましょうね。
今年も油断せず、暑い夏を乗り切っていきましょう!

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