「下の血圧」が高い理由は?高血圧が引き起こす体の変化について医師が徹底解説!
「高血圧」という言葉を聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか。
「自分は下の血圧だけ高い」
「健康診断の時だけ高い」
「全然気にしてない」
色んな方がいるでしょう。
高血圧は、数値によっては放置しておくと脳卒中や心筋梗塞のリスクを上げる怖い病気ですが、そもそも自分が高血圧にあてはまるのか。
今一つピンときていない方もいると思います。
今回はそれぞれのパターンに合わせて、高血圧への対応についてお話します。
下の血圧が上がる理由は?どんな行動が原因?
まずは下の血圧が上がる理由について。
下の血圧が高い人の体ではどんな変化が起きているのでしょうか。
そもそもの意味について見ていきましょう。
血圧を測定した際、上と下の2種類の数字が出ると思います。
この上の血圧のことを医学用語で「収縮期(しゅうしゅくき)血圧」、下の血圧を「拡張期(かくちょうき)血圧」と呼びます。
この収縮、と拡張という言葉は「心臓」に関連している話です。
人間の体では心臓が24時間動き続けることで、全身に血液をめぐらせています。
そして、心臓が収縮、つまり縮んで、血液を心臓から体に送っている最中の血圧が上の血圧。
また逆に心臓が拡張、つまり広がって、血液が体から心臓の中に戻ってきている最中の血圧が下の血圧となります。
なぜ下の血圧だけが上がるのか?
下の血圧だけ高いという現象はなぜ起こるのでしょうか。
この理由としては、心臓の不調ではありません。
心臓自体は問題ないのですが、心臓に「戻る」全身の細い血管に動脈硬化が起きていて、血管が細くなっているので、心臓に血液を帰すのに大きな圧力が必要になっている状態です。
そのため、心臓から血液を送る時は、血圧は通常通り。
しかし、心臓に戻る時だけ、血圧を上げる必要がある。
下の血圧だけ高い場合は体内でこのような状態になっている事が多いです。
下の血圧が高いパターンは、心臓自体が若い40代くらいまでの若い人に多く、その若い人の中でも肥満やたばこ、無呼吸の人などは、下の血圧が上がりやすいです。
高血圧を放置した先に起きる大病とは?取るべき対策とは?
下の高血圧を放置しておくと、心臓や、心臓から出ている体の中で最も太い血管、大動脈も硬くなっていきます。
結果として、だんだん年を重ねるごとに上の血圧も上がっていってしまいます。
全ての人が、という訳ではありませんが、血圧は
下の血圧→上の血圧
という順番で上がっていき、さらに上下の高血圧を放置しておくと、雨で水かさがましたダムの壁のように、だんだん圧力を受けてかたく、もろくなっていきます。
そして上下の血圧が上がったことでさらに血管にダメージが加わり、最終的に脳卒中や心筋梗塞を引き起こす引き金になる。
高血圧が大病を引き起こすのは、こういう仕組みなんです。
だからこそ、血圧が上がってきた段階で早めにコントロールをして、血管を大事にしてあげることが重要です。
血管を守るために、第一にやることは生活習慣の改善
有酸素運動としてできる人はジョギングや、忙しい人もまず歩数を増やすことから始めましょう。心肺機能が高まり、血管が活性化します。
血圧を上げるもとになる塩分の摂取を控えるのも重要です。
そしてそれでも血圧が下がらない場合は、受診をして、薬も活用しながら血圧をコントロールしていきましょう。
受診した方がいい数値としては、
・上の血圧が140以上
・下の血圧は90以上 です。
