健康診断って何のため?

「あぁ、またこの面倒な時期が来たか。どこも痛くないのに、わざわざ時間を割くのは面倒だな……」

健康診断の案内が届いた時、そんな風に感じてしまうのは、決してあなただけではありません。 目に見える不調がない中で「健康診断」を優先するのは、実はとても難しいこと。 体の仕組みから見ても、急ぎではないことを後回しにしてしまうのは、人間の脳の仕組みとして、ある意味でごく自然な反応なんですね。

しかし、健康診断はあなたにとって無駄な時間ではありません。 本当の目的は、あなたがこれからも今と同じように、好きな場所へ行き、好きなものを食べ、自分らしい生活を続けていけること。 そんな「当たり前の毎日」を過ごすための土台が揺らいでいないかを確認すること。 それこそが、何より大切で、一番大きな目的なんです。

1.身体という「インフラ」の点検作業

そもそも、なぜ何の症状もないのに検査が必要なのでしょうか?私たちの体は、いわば人生を支える「インフラ(生活を支える仕組み)」のようなものだと思ってください。

街を支える水道管やガス管、あるいは建物の土台を想像してみてください。これらは、完全に壊れてから直すのは、ものすごく大変なことです。

だからこそ、何の異常もないように見える「今」のうちに、専門家が小さなサビや、部品がすり減っていないかをチェックするわけなんです。

体の管理も、全く同じことが言えます。

特に40代、50代と働き盛りの時期は、体の中で「気づかない変化」が起きやすくなります。血圧が少し上がったり、血糖値が変動したりしても、体は必死に頑張って、あなたに「痛み」を出さずに支え続けてくれるんです。

2.放置すると広がる「見えない火種(ボヤ)」

「開けてみるまで分からない」のが、身体の仕組みにおける、最も注意が必要なところなんです。私たちの体の中で起きる不調には、「見えない火種(ボヤ)」という性質があります。

毎年健診を受けていても、その「結果」をどう受け止めるかで未来は大きく変わります。数値の異常に気づきながらも、どこも痛くないからとそのままにしておくと、目に見えないところで火種はじわじわと広がっていきます。

  • ①「痛くないから」と、健診で見つかった「小さな火種」を無視する
  • ②知らないうちに、体の大切な部分(血管や臓器)が熱にさらされ、限界にくる
  • ③ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞という「大きな火事」が起きる

火が小さいうちなら、ちょっとした工夫ですぐに消し止めることができます。しかし、燃え広がってからでは、消し止めるのには膨大な時間がかかってしまいます。

痛みが出ていない今こそが、火種を消して「当たり前の毎日」を守るための、最大のチャンスなんですね。

3.健康診断で「自分の取扱説明書」を更新する

では、健康診断の結果とどう向き合えばいいのでしょうか?いきなり生活をガラッと変えたり、100点満点の健康生活を目指したりする必要はありません。

大切なのは、返ってきた結果を「ただの紙切れ」にせず、今の自分の状態を知るための「取扱説明書」として活用することです。

  • ①数値は「今の自分」を知るためのヒント:もし基準から外れている項目があっても、それは「今のうちに、ここを整えておこう」という、「当たり前の毎日」を維持するための貴重なデータになります。
  • ②「変化」に注目する:去年と比べてどう変わったか。それを見るだけで、自分の体が今、どのように変化しているのかが見えてきます。

「何かが起きてから病院へ行く」のではなく、「今の状態を確認して、大きな火事(病気)を防ぐ」。この少しの意識の差が、将来の大きな安心に繋がっていくわけなんです。

4.1年に1回、自分を大切にする「点検」の時間

健康診断は、仕事の合間にやってくる「単なる作業」に思えるかもしれません。でも、実は1年の中で、これほど自分の体の内側とじっくり向き合える機会は、他にはなかなかありません。

忙しく走り続ける毎日だからこそ、1年に1回だけ立ち止まって、自分の「土台」を確認してあげる。

それは、5年後、10年後のあなたが「あの時、ちゃんと自分の体を見ておいて良かった」と笑顔で過ごすための、今の自分から未来の自分へ贈る「最高のメンテナンス」になります。

これからも、あなたが自分らしい毎日を力強く歩んでいけるよう、私たちは全力で応援しています。

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