治療継続って本当に必要?

健康診断の結果を見て、「自分の体、このままで大丈夫かな?」と少しでも意識を向けたあなた。その一歩は、未来の自分を守るための、とても大切なスタートです。
「くすりを飲み始めて、数値も落ち着いてきた。よし、もう安心だ!」
「そもそも自覚症状もないし、くすりなんて飲まなくても平気なんじゃないかな?」
そう思われる方も多いかもしれません。
ただでさえ忙しい毎日の中で、食事に気をつけたり、定期的に通院したりするのは、正直「面倒だな……」と感じてしまうのが普通です。
それはあなたがサボっているわけではなく、人間の脳の仕組みとして、現状を変えるのが億劫なのは仕方のないことなんですね。
しかし、数値が悪化しきっていない「今」こそ、本来の健康な体を取り戻すための、最も重要なタイミングなんです。
今日は、「良い状態をどうやってキープしていくか」という大切なお話をします。
数値が基準の範囲に入ったからといって、体が「新品のピカピカに戻った」わけではありません。 これを、崖っぷちの道を走る車に例えてみましょう。
血圧が高い、あるいは血糖値が高いという状態は、車が今にも崖から落ちそうな、ギリギリのラインを走っている状態なんですね。
そこでおくすりや治療は、車が崖下に転落しないように支える「ガードレール」の役割を果たしてくれています。ガードレールがしっかり立っているからこそ、皆さんは大きな事故を避け、人生という道を走り続けることができるわけなんです。
「数値が安定した」というのは、このガードレールがちゃんと機能しているサインです。 ここで「もう大丈夫」とガードレールを外して(治療をやめて)しまったら、またいつ崖下に転落するか分からない状態に逆戻りしてしまいますよね。
生活習慣病というのは、風邪のように「くすりを飲んでバイ菌を退治したら終わり」というものではありません。 イメージとしては、「あふれそうな蛇口を、おくすりや習慣の力でギュッと締めている」状態に近いんです。
蛇口を締めている間は、床が水浸しになる(大きな病気が起きる)ことはありません。 でも、手を離せば(治療をやめれば)、また水はあふれ出してしまいます。
「一生、蛇口を締め続けなきゃいけないのか……」と、重く考える必要はありません。 大切なのは、治療を、歯磨きや顔を洗うのと同じような「当たり前の習慣」にしてしまうこと。
頑張って気合を入れる「イベント」にするのではなく、呼吸するように自然にこなす「日常」にしてしまう。これが、体を守る一番の近道なんですね。
最後に、長く続けるためのコツをお伝えします。 それは、「完璧を目指さないこと」です。
人間ですから、ついおくすりを飲み忘れたり、飲み会が続いて生活が乱れたりすることもありますよね。そんな時に「あぁ、自分はダメだ」と投げ出してしまうのが、一番もったいないことです。
「少し乱れても、また明日から戻せばいい」 これくらいの心の余裕を持つことが、結果として10年後、20年後のあなたの笑顔を守ることになります。
大切なのは続けること。
私たちは、毎日を懸命に歩むあなたの健康を、医療の力でしっかりと支えていきます。


